エヌの世界ブログ

2020年6月までは(一社)対馬観光物産協会の観光担当/事務局長Nとして、7月からはサイトリニューアルによりエヌ(個人)としてブログを書いています。
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オヒデリ様神事と対馬唯一のデザイン・マンホールについて
 こんにちは、局長Nです。

 2017/12/26(火)、対馬市厳原町(いづはらまち)の西海岸・阿連(あれ)地区で毎年(旧暦11/9に)開催される「オヒデリ様」に参加してきました。

 名前だけ聞くとちょっと不気味ですが、誰でも参加OKの、柳田國男の民俗学の世界を連想させるような素敵な神事なのです。


 神事の流れ、まとめ、昨年の様子はこちら↓

 >>対馬の太陽神オヒデリ様と足の裏イタタの日(当協会ブログ2016.12.08 Thursday)


 昨年も新人スタッフを連れていきましたが、今年の犠牲者、もとい参加者はこちら。

ユウ&ゆーみん

 観光誘客チームのユウ(右)と、島おこし協働隊のゆーみん(左)。


子どもたち

 雷命神社でお祓いを受けた子どもたちは先にダッシュ。


大人たち

 背中に御幣を刺した大人たちは・・・


ホラ貝・鐘・太鼓

 ホラ貝・鐘・太鼓を先頭に・・・


進む人たち

 川の上流を目指します!


さらに進む人たち

 「これ、どこに向かうんですか?」(ユウ&ゆーみん)

 「ひみつ」(私)


進む

 どんどん進みます。


さらに進む

 まだまだ進みます。


靴を脱ぐ

 「はい! ここで靴を脱ぐ」(私)

 「靴下はセーフですよね?」(ユウ&ゆーみん)

 「素足がしきたりです」(私)


裸足で川底を歩く

 「痛っ! いたい! イタタっ!!」(ユウ&ゆーみん)

 どこかで見たような光景が再現され・・・(-_-;)


祠に到着

 無事、オヒデリ様の祠へ到着。


神事進行

 太陽の女神オヒデリ様は無事、山の祠に戻り、水神・龍神・男神である雷命(いかづちのみこと)の子神を出産します。

 対をなす太陽と水(雨)、女と男が和合し、阿連の里に調和と豊穣、平穏をもたらすのです。


村人との会話

 その帰り。

 「あれ? なんで裸足やと?」(村人)

 「(痛い!)しきたり、って聞いた(痛い!)ので・・・(痛い!)」(ユウ&ゆーみん)

 「おれ、靴下2枚はいとるよ」(村人)

 「昔は裸足やったけどねー」(村人)

 昨年参加したスタッフのブラックな笑顔の理由がわかったユウ&ゆーみんでした。

 うふふ(-_-;)


野菜畑

 阿連は、戦後の食糧難の時代に、対馬の人々がいかに自然を利用して豊かな日々を送っていたかを活写した「対馬の自然」(月川雅夫さん・農文協)の舞台です。


せんだんごつくり

 郷土料理「ろくべえ」の原料は、サツマイモを発酵させた「せんだんご」。

 パン生地が発酵する時のような酸っぱい香りが漂います。

 阿連は、対馬の半農半漁の暮らしの原型を感じる集落なのです。


おまけ!

阿連のマンホール

 対馬では、集落で下水道整備を行った阿連にだけ存在する、デザイン・マンホールです。

 モチーフは、阿連漁港?

 マンホール愛好者をマンホーラー、あるいは蓋女(ふたじょ)といいますが、マンホールカード(発行・下水道広報プラットホーム)の人気もあり、埼玉県川越市で開催されたサミットには3000人がつめかけたとか。

 >>「マンホールカード」が熱い ご当地限定、高値取引も(朝日新聞デジタル 2017/4/6)


阿連のマンホール2

 大マンホールに、デザイン・マンホールがはめ込まれたタイプもあるよっ!(もういいわ)


 では、みなさま、よいお年を〜<(_ _)>

 新年、観光情報館ふれあい処つしまは1/3(水)から営業です。
(ふれあい食堂 憩いはお休み)
対馬神社群 | 17:55 | - | - |
「対馬神社ガイドブック 〜神話の源流への旅〜」の配布について
対馬神社ガイドブック(表紙)

対馬神社ガイドブック(裏表紙)

 一般社団法人 対馬観光物産協会はこのたび、「対馬神社ガイドブック 〜神話の源流への旅〜」を作成いたしました。

 国境の島・対馬には、平安時代に朝廷が編纂した「延喜式神名帳」に記された官社(いわゆる式内社)が29社あり、九州全体98社の約3分の1を占めています。

 これらの式内社を中心に、対馬の神社の魅力をA5サイズ、フルカラー36ページで紹介した小冊子です。

 全頁ダウンロードも可能です。
 >>「対馬神社ガイドブック 〜神話の源流への旅〜」 PDF形式(3.8MB)


正誤表

 P28 オヒデリ
  対馬海峡東水道 → 対馬海峡西水道
 P30 天神多久頭魂神社
  亀卜神事旧1月3日 → 削除


【内容】
表紙 天神多久頭魂神社(上県町佐護湊)
P1 はじめに 〜対馬と神社について〜
P2 日本神話と対馬の神々
P3 神社庁に登録されている対馬の神社130社(平成29年3月) 厳原町
P4   〃  美津島町・豊玉町
P5   〃  峰町・上県町・上対馬町
P6 対馬の神社庁登録神社130社・鎮座地
P7 原初の神・タカミムスビとカミムスビ
P8 高御魂神社・神御魂神社
P9 太陽神・アマテラス
P10 阿麻テ留神社 ※テは氏の下に一
P11 暴風神・スサノオ
P12 島大国魂神社・那祖師神社・若宮神社
P13 山の神・オオヤマツミ
P14 白嶽神社
P15 海の女神・トヨタマヒメ
P16 和多都美神社
P17 航海神・ツツノオ三神(住吉三神)
P18 住吉神社(鴨居瀬)・住吉神社(鶏知)
P19 武神・神功皇后
P20 神功皇后の航路
P21 八幡宮神社
P22 海神イソラ
P23 亀卜(きぼく)の伝承 イカツオミ
P24 雷神社・太祝詞神社
P25 鉱山の神 モロクロガミ
P26 銀山上神社・銀山神社
P27 穀物の神 大歳神、ウカノミタマ
P28 太陽の女神 オヒデリ
P29 天道信仰と天道法師 タクズダマ
P30 多久頭魂神社・天神多久頭魂神社
P31 人物神 宗一族・小西マリア
P32 小茂田濱神社
P33 対馬 式内社29座(大6座・小23座)
P34 神話をめぐる旅 〜新たな扉〜
裏表紙 胡禄神社(上対馬町琴) お問い合わせ


【そのほかのパンフレット】

 エヌの世界 > プロフィール > テーマ別パンフレット
対馬神社群 | 22:18 | - | - |
対馬の太陽神オヒデリ様と足の裏イタタの日
 こんにちは、局長Nです。

 昨日12/7(水)、対馬市厳原町阿連(いづはらまちあれ)に伝わる神事「オヒデリ様の元山送り」に参加しました。

 民俗学的にも貴重ということで、地元CATVや新聞各社の取材、九州大学の学生さんなども参加していました。


「お日照様」神事のまとめ

・阿連には式内社(平安時代に公に祭られた格の高い神社)の「雷命神社」があり、祭神は「雷命」(いかづちのみこと)。
・雷命は、日本のほかの神々同様、旧暦の10月に出雲大社に旅立つため、阿連は一ヶ月間神様不在になる。(日本中から神々がいなくなるので「神無月」)
・雷命のいない間、ふだんは山にいる「お日照様」に里に降りてもらい、村を守ってもらう。
・雷命が阿連に帰ると、お日照様は旧11/1〜11/8の間、一緒に暮らす。
・旧11/9に、お日照様を元の山にお返しする「お日照様の元山(本山)送り」の神事が行われる。この時、お日照は懐妊していると考えられている。
・雷命は竜神・水神・男神で、お日照様は太陽神・女神。この一連の神事は、雨と太陽がバランスよく結びつき、里に豊穣がもたらされる、という古い民俗世界を体現している。

過去のブログはこちら↓

 >>「お日照(おひでり)様」神事について(当協会ブログ2012.12.26)


雷命神社

 雷命神社社殿前のイチョウの大木が折れています。

 (その数年前には、カヤの大木も折れました)

 祭神「雷命」は、亀卜(きぼく。古代の占い)の神様なのですが、竜神・水神・雷神ともされており、竜巻や落雷で巨木も折られてしまうとか。

 というよりも、竜神の棲む場所だからこそ祭り、社殿を造ったのかもしれませんね。

遡上1

 雷命神社でお祓いを受けた後、背中に御幣を刺してもらい、地元の方々と一緒に川を遡ります。

 我々がお神輿(みこし)となって、オヒデリ様を山にお運びするのです。

 子どもたちには特別な役割があり、先に猛ダッシュ。

遡上2

 初参加の協会女性陣は興味津々。

 「このあと、裸足で川を遡っていくけど、大丈夫?」

 「あー、全然大丈夫ですよ!」(会計担当K)(←このあと絶叫することになりますけどね)

遡上3

「いざや、いざや、とのばらを、もとのお山にお送り申ーす!」

「おー!」

遡上4

 どんどん遡っていきます。


子どもたち

 ここで、先回りしていた子どもたちが動物(シカ)に扮して、大声で大人を脅かします。

 大人たちは、びっくりするのがお約束。

 「わーっ!!」(子どもたち)

 「うおっ!!」(←事前に説明していたのに、不意をつかれて本当にびっくりした観光チームM(-_-;))

足の裏イタタ

 ここから先はオヒデリ様の神聖な領域。

 靴を脱いで歩きます。

 「いたたっ!!マジっすか、これ!ギャー!!」(会計担当K)

オヒデリ様の祠

 川の途中にある、オヒデリ様の祠に到着。

祈り

 御幣を納め、ロウソクに火を灯し、子どもたちからお年寄りまで一緒に祈りを捧げます。

 太陽(オヒデリ様)と雨(雷命)が調和し、里に平安と豊穣がもたらされるのです。

 ちなみに雷命は、日本中の神様が出雲大社に集まる縁結び会議の帰りなので、神事に参加すればよいご縁に恵まれるかもしれません。

 (家庭も職場も人生も、すべては人の縁の上に築かれていくので)

取材対応

 なぜか地元CATVの取材をうけている協会スタッフ・のんちゃそ。 (裸足で)

 ※本人の希望により写真を加工しています。

足の裏イタタ

 帰りも当然、裸足です。


 「イタィィィィ!!」 (会計K)

 「あら?裸足? 靴下はいててよかったのに」(地元の方)

 (早く、言えェェェェェ!!) (Kの心の声)

 
 写真で確認すると、地元の方は靴下をはいています。

 あー、靴下オーケーだったんですねー、知らなかったなー(棒読み)


御日照神社

 ちなみに漢字で書くと、「御日照」様。

 優しい日光の恵みの和の側面と、時には旱魃(かんばつ)をもたらす荒ぶる魂を感じさせます。

ブリとそば粉

 ブリとそば粉をいただきました。

せん作り

 集落では、対馬の郷土料理「ろくべえ」の材料となる「せん」が作られていました。

 サツマイモを砕いて発酵させ、でんぷんを取り出すのですが、とても手間がかかります。

干し大根

 冬に備え、大根が干されています。

サツマイモの切り干し

 同じくサツマイモの切り干し。

 食物繊維も豊富で、囲炉裏やストーブであぶると、やさしい甘みがあって滋味たっぷり。

阿連の風景

 オヒデリ様を紹介するにあたり、「秘祭」「奇祭」という冠も考えたのですが、むしろこちらが本来の祭りの姿のような気がします。

 阿連(あれ)という集落は、「対馬の半農半漁の暮らしの原風景」であり、神事もごく当たり前のように生活に溶けこんでいるんだなあ、とあらためて感じました。



 夜になっても、足の裏がホカホカしています。

 足の裏は第2の心臓とも言われ、たまには裸足で歩くのもよいのかも。

 来年参加したい思った方は、ぜひ裸足で!!(殴)
対馬神社群 | 06:22 | - | - |
コロク神社について
 あけましておめでとうございます。
 局長Nです。

 あっという間のお正月休みでしたが、皆様はいかがお過ごしだったでしょうか。

 私は家族サービスに徹すべく、1月1日は「和多都美(わたつみ)神社」参拝、2日は古代山城・金田城(かなたのき)トレッキング、3日は「コロク神社」(上対馬町琴(きん)の名神大社(みょうじんたいしゃ)。別名、琴崎大明神)に参拝してきました。

 子どもたちの反応は、「疲れた、もう行かん」「なんで2日続けて山やと?」「もういや」など、大好評でした!


 和多都美神社は定番の観光地でもあり、天皇家の祖神・山幸彦と海の女神・豊玉姫をまつる、対馬を代表する式内社(しきないしゃ)です。

 式内社、名神大社、対馬の神社については、下記ブログをご覧ください。説明は省略(殴)

 >>対馬の式内社29社(名神大社・小社)について(当協会ブログ2013.01.24)

 >>独断と偏見の対馬の神社セレクション(当協会ブログ2013.01.27)


 古代山城・金田城は、長崎県に2つしかない国指定特別史跡(史跡の国宝)で、昨年4月には文化庁の「日本遺産」の構成文化財にも認定されています。

 7世紀に、おもに関東からやってきた防人(さきもり)が国境警備にあたっていた現場です。説明は省略(殴)

 エヌの世界 > トレッキング > 防人が守った古代山城・金田城(城山)



 さて、1/3に訪れたコロク神社は、九州最多の29社の式内社を誇る対馬のなかでも、特に力が強いとされる名神大社6社の候補社のひとつです。

 >>胡簶神社(胡禄神社)(玄松子の記憶)


 対馬でも地元の方以外はほとんど知らないと思うのですが、ちょっとしたトレッキング(距離800m、標高50m)も楽しめ、雰囲気もよく、琴の大イチョウ(樹齢日本一)や茂木浜海水浴場(天然の砂浜)などにも近く、オススメです。

 ※軽いトレッキングになるので、事前の準備・装備、健康状態の確認などはくれぐれもよろしくお願いします。誰にも連絡せずに独りで行って、途中で具合が悪くなったりすると、大変なことになるので・・・。


 まずは上対馬町琴までのルートですが、下記Googleマップを拡大したり縮小したりして、確認をお願いします。
 >>対馬市上対馬町琴(きん)(Googleマップ)


コロク神社地図

↑ こちらがルート図。スタート地点は、コロク神社と対になっている、コロク御子神社です。

コロク御子神社

 コロク御子神社は、琴の集落奥にあります。車はここまで。

コロク神社への遊歩道入口

 ちょっとわかりにくいですが、御子神社の社殿に向かって、右側に山中に続く遊歩道があります。
(写真左が御子神社の社殿、右が遊歩道入口)

遊歩道

 遊歩道はこんな雰囲気。
 たまに車両が入っているのか、車輪の跡が残っていました。

分岐点

 灯台と神社の分岐点には、看板があります。
 右に進むと琴崎灯台、左に進むとコロク神社です。
 鎖がかけてあり、確認したところ、車両の通行止め用なので徒歩であれば入ってOKですよ、とのこと。

分岐点看板

 数年前、地域の人たちが遊歩道を改修したんですね。

琴崎灯台

 ちなみに琴崎灯台はこんな感じ。
 小さくてかわいいです。

遊歩道

 波の音が聞こえてきます。

コロク神社

 どーん!

 船で参拝することしか考えていない、この潔いデザイン。



↑昨年5月に撮影した動画です。クリックで再生。音量に注意。

松の大木

 マツクイムシの影響でほとんど見ることができなくなった松の大木も残っています。

水平線

 その昔、琴崎の神様と黒島(美津島町)の神様がケンカして、琴崎様は岬にあった竹を投げつけ、黒島様は島にあった松を投げつけたので、琴崎には竹がなく、黒島には松がないそうです。
 金色の蛇の伝承とか、海底に竜宮城の入口があるとか、伝説もいろいろ。

鯨拾得?

 昭和13年、「鯨為拾得神恩ニ謝ス」の文字が刻まれた石灯籠。
 近くに、鯨が漂着したんでしょうか?

力石

 鳥居の近くに大きな丸い石がありました。豊玉町曽の神社で見た「力石(ちからいし)」に似ています。
 力石だったら、かつて若者たちが持ち上げて力試しをしたり、神社のお祭りの出し物だったのかも知れませんね。


シーグラス

 帰り道、近くの海岸でシーグラスを拾いました。
 波の力と砂・石などとの摩擦によって、ガラスが摩滅して滑らかになったもので、同じ形のものは世界に2つはありません。

 ドバイの世界的大富豪たちも夢中になっているという今年大ブレイクしそうな趣味ですが(未確認情報)、海岸をウロウロしていると、不審者扱いされて、パトカーに職務質問されることがあるので、要注意。


 では、2016年もよろしくお願いします!
対馬神社群 | 09:51 | - | - |
周防正行監督と草刈民代さんと霊峰・白嶽について
 こんにちは、本日、博多阪急イングススポーツ(博多駅8F)で開催していただいた「対馬アウトド相談会」から島に帰還した局長Nです。
 またまた雨でした(-_-;)
 ご報告はまた!

 さて、6月下旬にスタッフMから、

「Nさん、厳原(いづはら)の○○神社って案内できます?!スペシャルゲストです!!」

 とあわてた感じの連絡があり、

「あー、いいよー」

 と軽く返事をして事務所でお客様をお待ちしていたら、いらっしゃったのは、「Shall we ダンス?」の周防正行監督と草刈民代さんでした。

 びっくり(゜o゜;)




 ご夫婦での完全プライベート旅行で、対馬の九州百名山・白嶽(しらたけ)登山直後、パワースポットに行ってみたい、とのこと。
 優しい大人の雰囲気の周防監督と、気取りがなく超サバサバしている草刈民代さんの、仲のよさが印象的でした。

 プライベート旅行とのことで当協会のブログ等でお知らせはしていませんでしたが、草刈さんご本人のWEBで白嶽登山の様子がレポートされておりました。

 「対馬観光ガイドの会やんこも」のトレッキングガイド・中島さんもしっかり登場(^^)

 対馬の歴史、古代信仰、登山という非日常など、世界中を旅するお二人にも新鮮な体験がたくさんあったようです。

 また遊びに来てくださいね(^_^)/~
対馬神社群 | 19:30 | - | - |
「歴史街道」8月号(『聖なる地』にお参りしよう!−全国神社マップ)について
 こんにちは、局長Nです。


歴史街道1

 歴史専門雑誌「歴史街道」(PHP研究所) 2013年8月号の第2特集は「神社と遷宮の謎Q&A」です。

 今年は伊勢神宮と出雲大社の式年遷宮が重なる60年に1度の年で、神社関係の特集は多いのですが、なぜ「歴史街道」を取りあげたかと言いますと・・・。


歴史街道2

 「『聖なる地』にお参りしよう!−全国神社マップ」(P84〜85)に、日本全国の有名・強力な神社が掲載されており、九州は宇佐神宮など8社が記載されているのですが、なんとそのうち2つが対馬の神社なのです!

 執筆者の鎌田 東二さんのえこひいきに大感謝!(殴)

 ちなみに2社は、和多都美(わたつみ)神社と、阿麻テ留(あまてる)神社。※テ=「氏」の下に「一」

 地元の人もあまり知らないのですが、アマテル神社は実はすごい神社なのです。

 ※参考: すごさを伝えようとして、途中で力尽きた前回のブログ


歴史街道3

 当ブログでもしつこくお伝えしていますが、対馬は平安時代に朝廷が作成した延喜式に記録された官社(式内社)が九州で一番多い神々の島。

 表と地図になっており、わかりやすいです。

 以下、引用。当ブログでしつこく、しつこく(殴)、お伝えしてきたことが、客観的に説明されています。


P91

 「たとえば薩摩国全体で延喜式内社は二座しかありませんが、対馬には二十九座。壱岐にも二十四座あるのです。さらに目に付くのは伊豆の九十二座です。
 これが意味することは何か。伊勢と出雲が日本を鎮護するための「内堀」のようなものだとすると、「外堀」が伊豆と壱岐・対馬だったのではないでしょうか。」

中略

 「一方の壱岐・対馬には、月讀神社・阿麻テ(※)留神社など月神・日神が祀られています。「陽」の伊勢の先に、神々が荒ぶる伊豆があり、「陰」の出雲の先に、月の神や日の神を祀る壱岐・対馬がある。やはり神社の数が示す通り、伊豆と壱岐・対馬は国家鎮護を考えるうえで重要視されるべき土地だった・・・。このように神社分布から、色々想像してみるのも面白いものです。」
※「テ」は氏の下に一。


「歴史街道」は書店でもよく見かける歴史関係ではメジャーな雑誌です。

 8月号を手に、ぜひ、対馬にお越しください<(_ _)>

 あ、島津特集のP62に、対馬の初代藩主「宗 義智」(そう よしとし)もちょっぴり登場しています。


「歴史街道」

2013年8月号
発行 株式会社PHP研究所
発売日 2013年7月5日
価格(税込) 630円
http://www.php.co.jp/magazine/rekishikaido/


【おまけ】

 先日、創刊されたばかりの九州の登山専門誌「のぼろ」(西日本新聞社)の情報をお届けしましたが、ダメモトでアタックしてみたら、昨年対馬にアウトドアモニターでお越しいただいたMさんが編集部に就職されていました。

 奇遇にビックリ(@_@;)


 美術手帖、BIRDERもよろしくお願いします<(_ _)>

 >>メディア掲載「美術手帖『神々の聖地』」について
 >>メディア掲載「BIRDER『この夏こそ!島〜』について」
対馬神社群 | 20:11 | - | - |
メディア掲載「美術手帖『神々の聖地』」について
 こんにちは、週末のイベントが無事終了し、今日は早く帰ろうと思いながらも往生際悪くブログを書いている局長Nです。

 前回の記事の専門誌「BIRDER」に続きまして、美術専門誌「美術手帖」への掲載情報です〜。


 2013年5月11日(土)と12日(日)の2日間、テーマが「古代信仰」と聞いてノリノリの私(11日担当)と、ちょっと引き気味だったフナメン&厳原支部担当A(12日担当)がご案内したものです。

 写真家・映像人類学者の港 千尋さんと編集部のFさんに気に入っていただけたようで、取材時の雰囲気がとてもよく、フナメンとAも喜んでおりました。


美術手帖1

 対馬だけでフルカラー14ページ+1ページで、プロの写真家である港さんの美しい写真が印象的です。


美術手帖2

 日本全国で、対馬・諏訪・沖縄の3ヶ所が大きく取り上げられています。


美術手帖3

特集 神々の聖地

古代の人々は、自然をカミとして崇める自然信仰や、森や山、滝、岩など、 森羅万象あらゆるものにカミが宿るというアニミズムの精神を持っていた。
繁る森に神性を見出し、昇る太陽に五穀豊穣を願う──。
そこには、目に見えないものを感じ、信じる力があったのだろう。
この特集では、日本列島における古代信仰が息づく聖地を訪れ、 人間が根源的に持っているであろう、信仰・祈りのかたちとは どのようなものなのかを考えていく。

美術手帖
http://www.bijutsu.co.jp/bt/

媒体概要
発行部数…60,000 部
発行日 …毎月17日
体裁…約240ページ
判型 …A5判(210×145mm)
定価…1,600円


 対馬に住んでいると、信仰の対象は神社(建物)ではなく、その背後にある原始林や大洋、天空(場合によっては鉱山や流星まで)などの大自然だと感じることが多いです。
 >>独断と偏見の対馬の神社セレクション(当協会ブログ2013/01/27)

 欲望をむき出しにして神社などに参拝する昨今の「パワースポット」ブームが大嫌いな私としては、今回の特集はすばらしいと思います!(殴)
対馬神社群 | 19:30 | - | - |
アナザーストーリー「小船越」(こふなこし) 〜日本最初の寺と太陽神の集落〜
 こんにちは、局長Nが趣味と妄想とストレス解消でお届けする(殴)、対馬歴史異聞伝(いぶんでん)「アナザーストーリー『小船越編』」です。

 これをやると確実に睡眠時間がなくなるので、ストレス解消になってるのかさっぱりわかりませんが(-_-;)


小船越

 さて、対馬の中央に広がる浅茅湾の東岸に、古代から江戸時代まで港町として栄えた「小船越」(こふなこし)という集落があります。

 >>対馬観光マップ・小船越 西漕手(にしのこいで)/アマテル神社/梅林寺(Googleマップ)


 対馬は、泣く子も黙る荒海・玄界灘(げんかいなだ)と、異国に接する恐ろしい朝鮮海峡(対馬海峡西水道)に挟まれており、対馬の波穏やかな内海・浅茅湾は、まさに海上のオアシスと呼べる天然の良港でした。


西漕手

 小船越には、いにしえの雰囲気をそのまま残す西漕手(にしのこいで)という古代の港跡があります。

 ここは、浅茅湾と対馬海峡が接する陸峡部であり、古代より日本本土と朝鮮半島・中国大陸を往来する海上交通の要衝でした。

 日本本土からやってきた船はまず鴨居瀬(かもいせ)に着き、岸沿いに小船越へ。

 小船越に着くと、小さな船は陸揚げして対岸へ運ばれ、大きな船は人と荷物だけを対岸の別の船に載せて、朝鮮半島・大陸を目指しました。

 小さな船が丘を越えていったので、「小船越」という地名になった、とされています。

 もちろん、半島・大陸から戻ってくる船は、逆の行程を辿るわけです。


住吉神社

 当時の航海は命がけであり、対馬に残る無数の海神系の神社は、海上の安全祈願のために祭られたと考えられています。

 >>対馬観光マップ・住吉神社(すみよしじんじゃ)(Googleマップ)

 対馬周辺の外洋は、神頼みをしなければ渡れないほど危険に満ちていたのです。



 さて、日本最初のお寺の話。


梅林寺

 小船越には、日本最初の寺とされる「梅林寺」(ばいりんじ)があります。


 日本への公式な仏教伝来は、538年(または552年)、百済の聖明王から仏像や経典が送られたのが始まりとされています。


梅林寺(説明板)


 仏像を捧持する使節は、小船越で上陸し、ここから日本本土を目指すために風待ち・波待ちをする必要がありました。


 その間、大切な仏像を粗末に扱うわけにはいかないので、小さなお堂を建てて仏像を保管し、その小堂が日本最初の寺・梅林寺になった、と伝えられているのです。



 海を渡った仏像は、在来の神道を信仰する物部氏によって難波の堀江に打ち捨てられますが、聖徳太子の時代に再出現し、やがて本田善光という人物の背中に乗って旅をし、現在の長野県(現在の善光寺)に落ち着きます。

 善光寺は、激動の戦国時代には、武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの錚々たる面々に信仰され、現在では年間600万人もの参詣者を集める名刹となりました。

 面白いことに、善光寺の仏像は自ら絶対秘仏となり、その姿を見たものはいません。

 7年に1度、前立観音という、いわばレプリカがご開帳されますが、本尊そのものが実在するのかどうかすら、秘仏ゆえに誰にも確認はできないのです。

 日本に渡来し、この国を仏教国家へと導き、戦国武将や天下人たちに信仰され、この国の歴史を変えたともいえる絶対秘仏の旅。

 その最初の日本上陸地が対馬であり、小船越だったのです!



 ・・・嘘だとおもったら、善光寺のホームページを見てみるがいいさ!(殴)

 >>善光寺公式サイト



 さて、もういい加減文章が長いので「つづく」でもいいのですが・・・。


アマテル神社1

 古代航路の要衝であった小船越には、「アマテル神社」があります。

 ※「阿麻○留神社」 ○=氏の下に一。


アマテル神社2


 天皇家の祖神である「アマテラス大神」にもよく似た響きで、しかも祭神は「天日神命(あめのひみたまのみこと)」という太陽神なのです。

 ちなみにお隣の壱岐には、月神である「月読(ツクヨミ、ツキヨミ)」が祭られており、第23代顕宗天皇の時代(5世紀後半)に、 それぞれの対馬と壱岐の祭祀集団ごと京都・奈良に上京しています。

 暴風神スサノオが出雲、太陽神アマテルが対馬、月神ツクヨミが壱岐の出身だとすると、日本神話のアナザーストーリーが見えてくるのですが、もう眠いので、続く!(殴)

 あー、対馬の神社ガイドブック、作りたい!(>_<)

 絶対!めちゃくちゃ面白いのに!!(殴)


※追加 作りました!
エヌの世界 > プロフィール > テーマ別パンフレット


対馬神社群 | 03:11 | - | - |
スサノオ、愛知県津島市、信長、対馬の意外な関係について
 こんにちは、結局、来週、対馬市ケーブルテレビ+長崎新聞の方と一緒に、阿連(あれ)の取材に行くことになった局長Nです。

 思いは届くものですね〜(殴)


 さて、先日、名古屋の方から、

「名古屋でイベントがあり、対馬をPRしたいので、パンフを送ってほしい。

 こちらでは、『つしま』と聞いてもお隣りの「津島市」しか思い浮かばない人も多いので」

 という、ありがたいお申し出をいただきました。


 愛知県の「津島市」についてちょっと調べてみたところ、対馬と神社がらみの意外な関連がありましたので、ご紹介します。



 皆様は「スサノオ」をご存知でしょうか?

 (少年ジャンプの某マンガに登場する無敵の忍術とかじゃないですよ)


 スサノオは、姉のアマテラス(天皇家の祖神)に嫌がらせをして天岩戸に引きこもらせ、神々によって天界から追放され、怪物ヤマタノオロチを退治して出雲(いずも。島根県)の英雄になった、日本神話に登場する神様の一人(一柱)です。


 疫病の神、あるいは疫病を抑える神として、全国の祇園神社・八坂神社・天王神社、京都の祇園祭で盛大に祭られている、あのスサノオです!


 現代人から見ると、「お前はいったい何がしたかったんだ!」と突っ込みをいれたくなる、あのスサノオです〜。


 面倒なときはWikiにおまかせ(殴)

>>スサノオ


 さて、スサノオは天界から出雲へ行くのですが、日本書記には一書(異伝)が多く、まず朝鮮半島の新羅(しらぎ)の「ソシモリ」に降臨し、そこが気に入らず、子どものイタケル(植樹の神)とともに出雲へ渡った、という伝承が記載されています。


 愛知県津島市の「津島神社」の社伝では、スサノオの和御魂(にぎみたま。神霊の穏やかな側面)は、新羅→対馬→津島に遷った、とされています。

 津島神社は、織田信長や豊臣秀吉の崇敬も受けていた由緒ある神社ですが、その祭神は、対馬からやってきていたのです。


 神様が移動するということは、その神様をまつる集団ごとの移動を意味することが多く、地名も同じ「津島」(対馬も古事記では「津島」)なので、対馬→津島の人の流れもあったのかもしれませんね。


なそかみ神社

 実は、対馬北端の上対馬町豊(かみつしままち・とよ)には、スサノオ(島大国魂神社)とイタケル(若宮神社)、さらにはソシモリ(那祖師神社)が祭られています。


不通浜

 島大国魂神社があったとされる豊北部には、「不通浜」(とおらずがはま)という、オソロシドコロなみにインパクトがある場所があり、スサノオが通った場所として立入禁止・絶対タブーの地になっています。

 (かなりヤバいらしいので、行かないでくださいね(-_-;)


祭神

 東の海岸にはイタケルが祭られていました。

 豊の漁港近くにはソシモリが祭られており、現在はここに3社がまとめられています。

 >>那祖師神社(長崎県対馬市上対馬町豊)(Googleマップ)


那須加美乃金子神社

 また、対馬市峰町志多賀(みねまち・したか)の「那須加美乃金子神社 (なすかみのかなごじんじゃ)」にも同様に、スサノオ・イタケル・ソシモリが祭られています。

 >>那須加美乃金子神社(長崎県対馬市峰町志多賀)(Googleマップ)



 伝承では、「志多賀北部の神山は、スサノオが植樹した山であり、伐採してもかまわないが、根を掘って樹種を絶やすようなことをすると、おそろしい神罰が下る」(「新対馬島誌」)という、植樹と伐採に関する強烈なタブーがありました。

 こわっ(-_-;)


 3つの書伝・社伝を総合すると、天界を追放されたスサノオは、朝鮮半島から対馬の北東部を経由して、出雲まで放浪していった、という物語が誕生します。


 怪物ヤマタノオロチは暴れ河を意味し、それを退治して天皇家の三種の神器のひとつ「クサナギの剣」(アメノムラクモの剣)を得る物語は、実は、暴れ河を治水し、河の砂鉄から鉄器を得る「製鉄」の物語だとも言われています。


 製鉄には大量の燃料(木材)を必要とするため、スサノオ(のモデルになった人物?)は、鉄のために朝鮮半島の森を禿山にして住めなくなり、その反省もあり、日本では植樹を行い、乱伐のタブーを生み出した、とも読めます。


 スサノオは、住むべき土地を追われ、対馬にも定着できず、苦労して「怪物」を退治し、やっと「出雲」という安住の地にたどり着いた、のかもしれません。





 日本神話のアナザー・ストーリー「対馬神話」、いかがだったでしょうか?


 神話は民族の精神の根底にあるものなのですが、戦後、日本神話は軍国主義と同一視され、学校でも教えないようです。


 教科書や、中央政府の正式な記録(たぶんに政治的なものですが)には登場しない、秘められた歴史物語「アナザー・ストーリー」(勝手にシリーズ化予定)にふれる旅に、出てみませんか?

対馬神社群 | 19:47 | - | - |
独断と偏見の対馬の神社セレクション
 こんにちは、長崎県対馬振興局の方から「協会の人たち、公式ブログを私物化してますね。楽しくていいです」と言われた局長Nです。

 私もそう思います!(殴)


 さて、前回の記事でもご紹介しましたが、対馬は神社だらけの神々の島です。

 で、数が多すぎて紹介しきれないので、(個人的に)対馬の神社セレクションをつくってみました。

 ちなみに、神々だらけ、神社だらけの根拠は以下の通り。

・平安時代に「延喜式(えんぎしき)」に記された格の高い神社(式内社)が29社(九州全体で98社中、最多)
・江戸時代に対馬藩三代藩主・宗 義真(そう よしざね)が調査した神社・祠の数が455社。
・当協会で写真撮影・調査を行った神社が200社超(おもに漁村で祭られる恵比須や金比羅は数が多すぎて無視しました)。

 過去にトレッキング、エコツーリズム、歴史、砲台のガイドブックを作ってきたので、今年は神社ガイドブックを作りたいんですけどね(ぼそり)。


※追加 「対馬神社ガイドブック 〜神話の源流への旅〜」の配布について(ブログ 2017.06.01 Thursday)


 では、神社セレクションを〜。


大自然の力が満ち溢れるウルトラ・スピリチュアル神社

山岳崇拝の総社 白嶽(しらたけ)神社

白嶽(雌岳)

「え? 神社じゃなくて、山岳やん」とおっしゃる方も多いと思いますが、実は神社の「建物」が重視されるようになったのは、6世紀の仏教伝来以降と言われています。

 もともとは社殿はなく、神々が降臨しやすい「場」が大切でした。


白嶽神社(雌岳)

 先ほどの白嶽の写真の下部に、実はこのような洞窟と鳥居があります。

 こちらが白嶽の雌岳(めだけ。女岳)で、


白嶽(雄岳)

 通常登る雄岳(おだけ)は実は、キノコのような形をしています。

 巨大な岩塊なので普通は気付きませんが、女性と男性、になっているわけです。

 大自然のデザインというのは時に神秘的で、古代人が「霊峰」と感じたのもわかるような気がしませんか?

 山頂部には大陸系植物が自生し、その珍しい植生により国の天然記念物に指定されています。


白嶽神社(洲藻)

 ちなみに、ふもとの対馬市美津島町洲藻(みつしままち・すも)にも白嶽神社があります。

 ご神体でもある白嶽は聖域でみだりには登れず、また体力や天候の関係もあり、地元の方は通常はこちらに参拝し、遥拝(ようはい。遠くから祈る)するわけです。


エヌの世界 > トレッキング > 白く輝く霊峰 白嶽



神秘の原始林 多久頭魂(たくずだま)神社

龍良山のスダジイ

 こちらも本来は社殿がなく、原始林・龍良山(たてらやま)がご神体。


裏八丁郭

 山中には、対馬独自の天道信仰の聖地のひとつ「裏八丁郭(八町角)」、いわゆる「オソロシドコロ」があります(-_-;)

 強いタブーの地として伐採・開発を免れてきたため、純度の高い照葉樹の森が残り、国の天然記念物に指定されています。


多久頭魂神社

 多久頭魂神社は厳原町豆酘(いづはらまち・つつ)の集落内にあります。

 白嶽同様、山自体が聖地で近寄れなかったので、ここから遥拝しました。


無限の大海原 胡禄(ころく)神社

 「山頂」は天の神々の世界に近く、「岬」は海の神々の世界に近い「場」です。

胡禄神社

 上対馬町琴(かみつしままち・きん)の琴崎には、海のダイナミズムを感じられる胡禄神社(琴崎大明神)があります。


胡禄神社

 いかにも、海底から海神が登ってきそうな雰囲気。

 船で海から参拝するか、琴の集落奥にある胡禄御子神社の拝殿横から800mほど山道を歩かないとたどり着けません。

※情報を追加しました↓
 >>コロク神社について(2016.01.05)


胡禄神社

 ちなみに祭神はワタツミ系の海神ですが、対馬での伝承では、顔に貝類などが付着して醜い姿をしているとされる、大海原に潜む海の神「磯良」(いそら)ともされています。

 さて、神社の「建物はおまけ」という説、納得していただけましたでしょうか?

 パワースポットブーム以降、「神社」(建物)ばかりが注目されがちですが、実はその先にある、古くからの大自然そのものが信仰の対象だったのです。

 対馬は古代から、そんな雄大な自然が満ち溢れる、荒々しく、激しく、美しい島だったのです。


地下鉱山の世界 銀山上(ぎんざんじょう)神社/銀山神社

 山、海、ときて、次は地下世界です。

 以前ブログで紹介しましたが、対馬は7世紀から日本最古の鉱山(銀山)があった場所で、古代鉱山の跡とされる坑道も残っています。
 
阿連の古代坑

 厳原町阿連(あれ)の古代坑。


樫根の古代坑

 厳原町樫根(かしね)の古代坑。

 地下世界は出水や落盤など、海同様に危険に満ちた世界で、安全祈願・神頼みをしなければ仕事ができません。

 そんな銀山の作業の無事を祈るための神社もあります。


銀山上神社

 厳原町久根田舎(いづはらまち・くねいなか)の「銀山上神社」です。

 ここと、樫根(かしね)の銀山神社の祭神は、「諸黒神(もろくろがみ)」。

 通常、鉱山の神様は「金山彦」なのですが、「諸黒神」は対馬固有の神様のようで、ネットで調べても何も出てきません。

 「漆黒の闇」を意味する、何ともドスのきいた名前です(-_-;)

 7世紀の対馬銀山で誕生したか、採掘の技術者集団が祭っていた神様なんでしょうね。


天空と流星の伝説 明嶽神社

 地下世界の次は、天空。

明嶽神社

 先日のブログでも紹介しましたが、豊玉町銘(とよたままち・めい)の明嶽神社のご神体は、「星」(隕石)と言われています。


元嶋神社(妙見神社)

 また、浅茅湾北西部の豊玉町唐洲(とよたままち・からす)の元嶋神社(妙見神社)の祭神は、現在はスサノオ、元は「北辰妙見」=「北極星」、あるいは天の中心を意味する「アメノミナカヌシ」です。

 北極星は夜間航海の目印なので、古代より大陸と日本本土を往来していた対馬の船人たちは、北極星や北斗七星を信仰していたのかもしれません。

 古代の対馬の人々は、天空・大海原・地下、そして日々の生活のなかに神々を感じ、ともに生きていたのです。

 以上、目に見える神社建築の向こう側にある、目に見えない大自然と神々の世界の物語でした<(_ _)>


 対馬の神社のジャンルとしては、

・物語性の高い神社
・無人島に宿る神々
・格の高い神様が宿る神社
・かわいい神社
・とんでもない何かが潜んでいる(かもしれない)神社
・何かが間違ってる神社
・こわい神社
・探すのに苦労した神社

 などがあります。

 私の個人的な分類ですが(^_^;)


「かわいい神社」の代表は、対馬市上県町御園(かみあがたまち・みそ)の森乃神社・恵比須神社。

森乃神社

 屋根瓦や鳥居まで完備した、超小型の双子の神社です。


恵比須神社

 神紋もこんな感じ。かわいいでしょ?



対馬神社群 | 02:12 | - | - |

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